- 優秀な人材の定着化とOJT
〜 学生気質の世代交代 〜
〜 学生気質の世代交代 〜
就活にも父母の姿が
学卒者の採用、フォロー活動が佳境だ。超採用難を背景に、内定後のフォローもかつてない努力が必要だという。重複内定者や内定後の就職活動による辞退者が出るのを防ぐ意味もある。中小企業に、父母への会社見学会開催や、経営幹部の家庭訪問を勧めている採用支援会社もある。
また、ここ数年、大学の入学式の父母席が満員となることが多いと聞く。「失われた10年間」とも言われる就職氷河期の後、大学を卒業し社会人になる若者たちの気質だけでなく、父母の意識に大きな変化があるのかもしれない。
学生気質の変化
長く教壇にたってきた専門校のベテランの先生から、「新しい世代がやってきた」と聞いた。3-4年前から学生気質が大きく変わったとのこと。必ずしも大学生とは一致しないであろうが、いくつか列記する。
| 小グループ化 |
ものすごく小さくなった。対人関係の希薄化。 |
| 2こぶラクダ |
学力の2極分化。正規分布していない。指導レベル設定が難しい。 |
| 弱い学生の増加 | 以前より目立つようになった。うつ的。小グループに入れない。孤立。 |
新しい学生は「ゆとりの教育」世代、ケータイ世代だ。さらには父母が生まれた時からテレビのある世代で、それ以前のいわば拡・団塊世代とは大きく変化している。ここでは拡・新人類世代としておこう。
拡・団塊世代までは「技術は盗んで覚えよ」で、研修メニューがあれば受講者は参加してきた。だが、拡・新人類世代に入ると、山本五十六の「やってみせ、言って聞かせて,させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」式に、学生時代の延長のように、必須、推奨などに分けて研修メニューを用意し、やり方を大きく変化させていったように覚えている。その子供世代が、今これから、社会に出始めるのだ。
優秀な人材の採用、定着化が人事の優先課題
新しい世代の学卒者を迎える人事の対応はどうなのだろうか。社会経済生産性本部の2007発表の調査では、優秀な人材の確保・定着が人材マネジメントの優先課題1位だ。定着化を意識してか、最近、OJT、人材育成への関心が高い。今までは集合研修とe-ラーニングなど知識研修に比重がおかれてきたが、OJTについても各社の人事が関与度合いを増すようになってきたようだ。


定着化もOJTも現場での人的関与が最も大切なもの。だが、最も現場まかせになりやすいし、慣れない管理者や指導層が半数に及ぶところも多いと聞く。トレーニーとトレーナーと双方に定着化支援、OJT支援を行うなど、人事が大きな役割を果たすことが求められ始めた。
いままで、研修サービス機関やシステム・サービス提供機関にとって、OJTそのものは、知識教育に比較してサービスの提供が難しい分野であった。近年、サービスの品揃えも増加し、コーチング研修、システムによるサポートのほか、e-ラーニングやOJTのフィードバックを外部機関が請け負うサービスも提供され始めた。
定着化と育成に望まれること
先に述べた先生が企業側、受け入れ側に望むこととして、4項目を上げた。
| 「あなたを育てる」 |
個別教育、寺子屋的教育の実施。一人ひとりについて、その人に合った接し方で対応する。 一律的に対応しない。 |
| 人間教育 |
社員教育でなく、学校教育の延長として人間教育を行って欲しい。家庭教育も学校教育も従前の世代より不足している。 |
| 明確なビジョン | 何をできるようになってもらうのか、どのような社員になってもらうのかを明確にする。元々、不足しているものが多いので、概念的でなく、イメージできるように具体化して「見える化」させて欲しい。 |
| 「ケア」がキーワード | 見守る。人と人としての関係で、関与して欲しい。 |
日々の仕事に面白さを見つけられ、自らの成長を楽しめる仕事・環境の用意と、人間教育を企業は求められ始めたようだ。「優秀な人材の確保・定着化」のために、就職環境が好転しての変化のほか、新しい気質を持った世代を受け入れる時期であることも意識に留めておく必要があろう。企業のベテラン〜管理職層の子供たち世代、どのような社会人、ビジネスマンになっていくのか成長が楽しみだ。
※ 出典: (財)社会経済生産性本部「日本的人事制度の変容に関する調査」2007
サイエンティア東京本社 人事・人材システム コンシェルジュ 大塚慶吾







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